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いまさらですが・・・今年の論文について考える(特実Ⅰ) [論文]

 口述試験も終わろうとしているこんなときに今更ですが、N先生やS先生の解答例、そしてその他の方の話を伺う機会がありましたので、自分なりに考察を記しておきたいと思います。今日は特実Ⅰの問題についてです。

1.構成について
 問題文から補正がテーマであることはすぐに気づきました。ところが各設問の題意及び差異を想起することは容易ではありませんでした。唯一(3)の限定的減縮か否かについては把握できました。一方で、シフト補正について意識していたものの、請求項に係る発明が先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴を有する否かを認識することができませんでした。

2.設問(1)について
 ここで以下の事項を考える必要があったようです。
 ①実施例(3)をクレームアップするためには単一性を満たすべきであること
 ②拒絶理由である公知技術と請求項の関係から、単一性を満たさないこと
 請求項(2)に係る発明と実施例(3)に係る発明とが同一の又は対応した特別な技術的特徴を有するか否かを論じておく必要があった訳です。具体的には手振れ防止強度調節機構とビデオ撮影機構とが係る関係にあるか否かの判断です。ここでS先生は明確に単一性を否定しておられます。しかし必ず単一性がないのかどうかは問題文からでは明確に見出せないような気がします。この辺理解が不足しているのでしょうか。
 いずれにせよ、ここで単一性について論じていないのはまずいです。両発明が同一の又は対応した特別な技術的特徴を有している場合には、実施例(3)を請求項に追加できる、と論じておくべきでした。
 また、拒絶理由となるAについては各発明に共通している技術であり、Aは先行技術に対する貢献を明示し得ないことを意識する必要がありました。

3.設問(2)について
 ここで、請求項(1)をA→A+Cに補正→→A+CとA+Bとが単一性を満たさないときは分割、という流れにしました。間違いではないのかもしれませんが、設問(1)の時点で単一性を論じていれば、ここは即分割の流れとなり、要件のあてはめがもっとしっかり出来たと思います。
 また、分割はどちらの発明を新たな出願とするべきか、分割後に審査請求をするのか、優先審査可能か、というところには全く気が回りませんでした。この辺りの項目は、考え過ぎても題意から外れるし、足りないのも良くないところだと思います。バランスが取れるかどうが個人のスキルだと思います。相対的に上位に位置するためには、題意に即してさらりと書ける実力が必要です。

4.設問(3)について
 ここではかなり強い問題文の誘導により、B→B1への内的付加を要求されているため素直に17条の2第3項乃至第6項のあてはめを行いました。テクニカル的にあてはめの良し悪しはあったと思いますが、ほぼ過不足無かったと思います。

5.全体を通して
 模範解答を拝見し、講義を拝聴してみて、いかにこの問題が深いかが徐々に分かってきました。そしてここに面白さを見出すことが出来ると思います。過去の問題も単に項目列挙ではなく、論点や、題意以外の措置等も考えてみると、まだまだ教材には困らないような気がしてきました。




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