いまさらですが・・・今年の論文について考える(商標法) [論文]
商標法は最も自身がありません。自己評価と実際の評価(D評価)のギャップが大きかったからです。特に、あのサツマイモのイラストはどうしてわざわざ存在するのか理解不能でした。けれども、なぜD評価なのかは時間を掛けて徐々に納得してきました。
・「商標」と「指定商品/指定役務」の組み合わせについて整理できていなかった。
・各審判についての要件をきちんと挙げられなかった。
・「侵害訴訟に関し」という問題に対して全く対応できなかった。
・審判における指定商品役務ごとの取下げについて根拠が挙げられなかった。
こんなところでしょうか。まずは基本的な部分でもっと型に嵌った答案を書けるように努力が必要だと思っています。
設問(1)
1.①について
(1)4条1項10号の要件あてはめをするわけです。
甲の出願に係る「ロ商標」を商品「焼酎」について使用する行為に対して、乙が「清酒」について使用する「イ商標」が、「ロ商標」の出願時及び査定時に「周知商標」であること。さらに除斥期間の適用はないこと。
(2)4条1項15号についてはどうでしょうか。
ここでの周知性の判断が「四国地方」で足りるのか否かは分かれるようです。それが合否の分かれ目にはならないのでしょう。実際、N先生は適用可能と解釈し、S先生は周知性の要件を満たさないと解釈して論述されました。
適用可の場合は、甲の出願に係る「ロ商標」を「梅酒、果実酒」に使用する行為は、乙が「四国地方」で使用する「清酒」に使用している「イ商標」との間で出願時及び査定時に出所混同の虞があること。また、除斥期間の適用はないこと。
(3)4条1項19号について
不正競争の目的は不正の目的の下位概念なので「不正の目的」。あとはあてはめをして、甲の「梅酒、果実酒」の商標登録には4条1項19号の無効理由が存在。除斥期間適用なし。ここでも周知性の解釈が分かれそうな気がします。Lでは「著名」と習ったような気がします。
ところで上記各理由に係る無効審判は主体的要件として利害関係のあることと解されていると思いますが、丙はそのような関係があるでしょうか。N先生もS先生もそこに関して記載、コメントがありません。。。「梅酒」「りんご酒」について使用する丙が、甲の「焼酎」について訴えること出来るのでしょうか。
2.②について
ここは不正使用による取消審判(51条)であるだろうことは皆さん気づかれたことでしょう。この場面で「焼酎」についての登録商標を有する甲が「薩」の文字を付加して、さつまいもの図形を背景にしたことにより、「品質の誤認」を故意に行ったということです。
ここで、わざわざイラストまで描いているわけですからそれについてちゃんと記載すべきなんでしょう。僕は残念ながらそこに考えが及びませんでした。
3.③について
不使用取消審判(50条)についても強い誘導がありましたので皆さん間違わなかったことでしょう。易しい問題だと思います。しかし僕の場合は指定商品の部分で積極ミスをしてしまいました。基本的な力不足を痛感します。
設問(2)
効果だけであれば条文レベルで2,3行で終わる話になってしまいます。侵害訴訟と絡めるところで色々な結論がでるようです。このような問題については答えが合っているかではなく、結論を導出する過程において理解度を評価されるのでしょう。
1.各審判確定審決の効果について
2.差止請求訴訟について
口頭弁論終結時において権利が消滅しているか否かが問題となる。以下論理展開&結論
3.損害賠償請求訴訟について
侵害時に権利が消滅しているか否かが問題。以下論理展開&結論
4.結論
検討する過程において、時期的要件及び各審判では指定商品ごとの消滅となるのか、商標権の消滅となるのかについて記載し、総合的にいずれが有利かを述べる。
設問(3)
ここでは短答的な問いでしたが、「理由とともに説明」できたか否かが合否の分かれ目だったかもしれません。僕は理由が挙げられませんでした。特許法155条3項を準用するか否かが最低書けていなければならなかったのでしょう。さらなる理由付けについては①無効審判は指定商品・指定役務ごとに消滅するから(46条の②、69条)②不正使用取消審判は対世的効力により商標権を消滅させるから③不使用取消審判については立証責任を被請求人に転換し、一の指定商品等についての使用を証明すれば足りるところ、請求人が指定商品等を減縮補正することは請求の要旨変更となる。
以上
やはり商標法が最も基礎力不足です。頑張らなければ・・・。
・「商標」と「指定商品/指定役務」の組み合わせについて整理できていなかった。
・各審判についての要件をきちんと挙げられなかった。
・「侵害訴訟に関し」という問題に対して全く対応できなかった。
・審判における指定商品役務ごとの取下げについて根拠が挙げられなかった。
こんなところでしょうか。まずは基本的な部分でもっと型に嵌った答案を書けるように努力が必要だと思っています。
設問(1)
1.①について
(1)4条1項10号の要件あてはめをするわけです。
甲の出願に係る「ロ商標」を商品「焼酎」について使用する行為に対して、乙が「清酒」について使用する「イ商標」が、「ロ商標」の出願時及び査定時に「周知商標」であること。さらに除斥期間の適用はないこと。
(2)4条1項15号についてはどうでしょうか。
ここでの周知性の判断が「四国地方」で足りるのか否かは分かれるようです。それが合否の分かれ目にはならないのでしょう。実際、N先生は適用可能と解釈し、S先生は周知性の要件を満たさないと解釈して論述されました。
適用可の場合は、甲の出願に係る「ロ商標」を「梅酒、果実酒」に使用する行為は、乙が「四国地方」で使用する「清酒」に使用している「イ商標」との間で出願時及び査定時に出所混同の虞があること。また、除斥期間の適用はないこと。
(3)4条1項19号について
不正競争の目的は不正の目的の下位概念なので「不正の目的」。あとはあてはめをして、甲の「梅酒、果実酒」の商標登録には4条1項19号の無効理由が存在。除斥期間適用なし。ここでも周知性の解釈が分かれそうな気がします。Lでは「著名」と習ったような気がします。
ところで上記各理由に係る無効審判は主体的要件として利害関係のあることと解されていると思いますが、丙はそのような関係があるでしょうか。N先生もS先生もそこに関して記載、コメントがありません。。。「梅酒」「りんご酒」について使用する丙が、甲の「焼酎」について訴えること出来るのでしょうか。
2.②について
ここは不正使用による取消審判(51条)であるだろうことは皆さん気づかれたことでしょう。この場面で「焼酎」についての登録商標を有する甲が「薩」の文字を付加して、さつまいもの図形を背景にしたことにより、「品質の誤認」を故意に行ったということです。
ここで、わざわざイラストまで描いているわけですからそれについてちゃんと記載すべきなんでしょう。僕は残念ながらそこに考えが及びませんでした。
3.③について
不使用取消審判(50条)についても強い誘導がありましたので皆さん間違わなかったことでしょう。易しい問題だと思います。しかし僕の場合は指定商品の部分で積極ミスをしてしまいました。基本的な力不足を痛感します。
設問(2)
効果だけであれば条文レベルで2,3行で終わる話になってしまいます。侵害訴訟と絡めるところで色々な結論がでるようです。このような問題については答えが合っているかではなく、結論を導出する過程において理解度を評価されるのでしょう。
1.各審判確定審決の効果について
2.差止請求訴訟について
口頭弁論終結時において権利が消滅しているか否かが問題となる。以下論理展開&結論
3.損害賠償請求訴訟について
侵害時に権利が消滅しているか否かが問題。以下論理展開&結論
4.結論
検討する過程において、時期的要件及び各審判では指定商品ごとの消滅となるのか、商標権の消滅となるのかについて記載し、総合的にいずれが有利かを述べる。
設問(3)
ここでは短答的な問いでしたが、「理由とともに説明」できたか否かが合否の分かれ目だったかもしれません。僕は理由が挙げられませんでした。特許法155条3項を準用するか否かが最低書けていなければならなかったのでしょう。さらなる理由付けについては①無効審判は指定商品・指定役務ごとに消滅するから(46条の②、69条)②不正使用取消審判は対世的効力により商標権を消滅させるから③不使用取消審判については立証責任を被請求人に転換し、一の指定商品等についての使用を証明すれば足りるところ、請求人が指定商品等を減縮補正することは請求の要旨変更となる。
以上
やはり商標法が最も基礎力不足です。頑張らなければ・・・。
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2009-11-01 23:05
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