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形式論について [論文]

  今、些か困っています。
  先日答練の添削が戻ってきました。特実の問題で、侵害行為に対して先使用権(79条)を問う問題でした。僕の答案の流れは、こうです。

---- 答案のあらすじ(ほんの一部) ----
侵害とは(68条)。
→形式的に侵害している。
→しかし、先使用権に該当し、侵害とならない(79条)。
---- 以上 ----

添削で以下のようなコメントをいただきました。

---- 以下、引用 ----
侵害の定義は『権原又は正当理由なき第三者が・・・』と書きますよね。『形式的に侵害する』と書くと、『権原も正当理由もない』ことを言っていることになります。なのに後で『79条がある』とすると、『やっぱり権原がある』と書くことになり矛盾しますよね。『権原等なき限り、侵害となる』と書いてから、権原(79条)の検討に入る方が賢明でしょう。
---- 引用おわり ----

・・・うーん、大変有難いアドバイス。言われてみればその通りです。
「形式的に侵害する」という場合には、形式論→実質論という流れで論じる時に使用するのが筋だと思います。しかし、Lの答練においては、侵害か否かを問われた時に、こういう流れが一つのパターンになっています。

(1)侵害とは、
(2)当該行為は形式的に権利侵害しており、これを否認できない、
(3)抗弁事由の検討、
(4)抗弁事由を有し、権利侵害を構成しない。

そして、抗弁事由には、いわゆる先使用権などの『権原』も含まれるのが一般的だと認識しています。これは僕の認識が誤りなのでしょうか。
  改めて考えてみると、消尽論や、特許権・商標権等の効力が及ばない場合、そして104条の3の抗弁などについては形式論→実質論で論じることができると思います。しかし、先使用権などの場合は確かに『実質的には権利侵害を構成しない』というより、『権原を有しているので侵害を否認できる』と論じる方が、”特許権侵害とは・・・”という規範定立に対応している気がします。
  直前期にこんなことを悩んでいるようでは心許ないですが、以外とこういう当たり前すぎるフレーズの意味について知らずにいる人も少なくないのではないでしょうか?それとも僕だけ・・・?





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nikoniko

Gaoさん、ご無沙汰しております。

私もL育ちなので、Gaoさんの答案と同じ流れで書いています。いままで、Gaoさんの答案へのコメントと同様なコメントはもらったことがありませんでした。自分としては、これまでとおりの答案でよいと思っているのですが・・・。
by nikoniko (2010-05-22 02:54) 

Gao

nikonikoさん、コメント有難う御座います。Lの模範答案を改めて見直したところ、やはり『形式侵害→抗弁で先使用権』というものが散見されました。ですのであまり拘る必要はないのかもしれません。それよりもちゃんと題意把握できること、論旨をちゃんと表現できることの方が大事ですしね。

by Gao (2010-05-22 09:24) 

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