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平成22年度弁理士試験 論文式筆記試験(必須科目)を受験した件 [論文]

  昨日、論文試験を受けてきました。場所は國學院大學。昨年ここで短答試験と選択試験を受けて合格させていただいているので、僕にとっては縁起の良い場所です。僕の部屋は大講義室でした。会場までは渋谷駅から徒歩15分以上掛かったと思います。自席に座った時には汗だくでした。しかし部屋はエアコンが効いていて結構温度が低かったです。長袖シャツを持参していて正解でした。
  論文試験は2回目ですが、やはり模試と違い緊張が高まります。周囲に集中をスポイルされるような人はいませんでした。昨年は比較的小さな部屋で、厳格な雰囲気の試験監督の下結構持ち物なども厳しくチェックされました。今回は大部屋ということもあってか、昨年と比較するとアバウトな感じでした。驚いたことに、近くに座っていた50代くらいの男性は、問題が配られると即座に裏返してホッチキスを緩めていました。試験官に見つかった場合は明らかに注意される行為だと思われましたが、結局見つからず、彼は問題用紙を表に返して平然としていました。肝が据わってるものだと関心しました。
  さて、試験を受けた印象をザックリと述べますと、特実は問題Ⅰで考えすぎて時間を浪費してしまいました。おかげで問題Ⅱの時間が少なくなってしまい、取れるところで充分に取れていません。意匠はLECの答練レベルの問題でしたので、構成15分くらい、できるだけ丁寧な字で書くことを心掛け、かえって余計な記載などをしてしまったかもしれませんが、それなりだと思います。商標は予想していたような問題ではなく、些か驚きました。設問1は青本をちゃんと読んでいますか?というメッセージでしょうか。商標の存続期間の部分は一応目を通してはいましたが、細かい部分は記憶していませんでした。設問(2)でも面食らいました。こりゃ短答の知識というかなんというか、これまでの予備校の答練はなんだったんだという感じです。とはいえ基本問題なので、法文をチェックしながら定立、そしてあてはめを行いました。細かい部分は拾えていないと思います。
  試験が終了し、会場を出た途端に頭が痛くなりました。知恵熱でも出たのでしょう。その後真っ直ぐ帰宅し、自宅で再現答案を作りました。これが非常にしんどかった。体力的にも精神的にも限界を感じながら、なんとか2時間くらい掛けて作成しました。これが今後の役に立ってくれると良いと思います。
  自分自身の出来栄えや手応えはあまり考えないようにしようと思います。それよりも、来年もう一度受ける覚悟を早く決めて、口述&来年の論文対策をしたいと思います。そう書くのは簡単ですが、心の中で割り切るのは実際には難しいでしょう。
  今回の試験を受けて来年に向けての対策としては、改めて改正本と青本の熟読そして偏った範囲の論文試験ではなく、広い範囲で条文を使った記述が「論文式」にできることを目指す必要があると思います。論文対策として、短答の問題を論文の題材として根拠条文と共に記述する練習が有効かもしれません。予備校との付き合い方も考え直そうと思います。
  昨年は論文が終わった後は羽を伸ばしていました。しかし今年は今のところそんな気になれません。論文通過にせよ、不合格にせよ、まだ次が控えています。これ以上周囲の人達にも迷惑かけたくないし、自分自身も早く楽になりたい。そのためには今頑張らないといけないという思いが強いです。もう若くないですから。
  さてと、すでに発表されている公表論点をこれから見に行きます・・・




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全国模試 [論文]

  論文式筆記試験まで、あと1月余りとなりました。いよいよ全国模試が始まります。実力をどこまで伸ばせるか分かりませんが、4回しかない模試でメンタルな面も含めて本番へ向けての調整を図りたいと思います。模試も本番のつもりで頑張ります!





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形式論について [論文]

  今、些か困っています。
  先日答練の添削が戻ってきました。特実の問題で、侵害行為に対して先使用権(79条)を問う問題でした。僕の答案の流れは、こうです。

---- 答案のあらすじ(ほんの一部) ----
侵害とは(68条)。
→形式的に侵害している。
→しかし、先使用権に該当し、侵害とならない(79条)。
---- 以上 ----

添削で以下のようなコメントをいただきました。

---- 以下、引用 ----
侵害の定義は『権原又は正当理由なき第三者が・・・』と書きますよね。『形式的に侵害する』と書くと、『権原も正当理由もない』ことを言っていることになります。なのに後で『79条がある』とすると、『やっぱり権原がある』と書くことになり矛盾しますよね。『権原等なき限り、侵害となる』と書いてから、権原(79条)の検討に入る方が賢明でしょう。
---- 引用おわり ----

・・・うーん、大変有難いアドバイス。言われてみればその通りです。
「形式的に侵害する」という場合には、形式論→実質論という流れで論じる時に使用するのが筋だと思います。しかし、Lの答練においては、侵害か否かを問われた時に、こういう流れが一つのパターンになっています。

(1)侵害とは、
(2)当該行為は形式的に権利侵害しており、これを否認できない、
(3)抗弁事由の検討、
(4)抗弁事由を有し、権利侵害を構成しない。

そして、抗弁事由には、いわゆる先使用権などの『権原』も含まれるのが一般的だと認識しています。これは僕の認識が誤りなのでしょうか。
  改めて考えてみると、消尽論や、特許権・商標権等の効力が及ばない場合、そして104条の3の抗弁などについては形式論→実質論で論じることができると思います。しかし、先使用権などの場合は確かに『実質的には権利侵害を構成しない』というより、『権原を有しているので侵害を否認できる』と論じる方が、”特許権侵害とは・・・”という規範定立に対応している気がします。
  直前期にこんなことを悩んでいるようでは心許ないですが、以外とこういう当たり前すぎるフレーズの意味について知らずにいる人も少なくないのではないでしょうか?それとも僕だけ・・・?





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完成編終了。ただし未完成のまま。 [論文]

  論文答練<完成編>のカリキュラム全6回が終了しました。僕は未完成のままです。ただ、ポジティブに考えると、考えるきっかけを沢山もらえました。ミスをするのも、読み飛ばすのも、それなりに原因があるわけです。その原因を自分なりに解析し、対処していけば成績も良くなると思います。一見凡ミスだからといって、それでおわりにしていたらそこから成長はないのです。
  たとえば、立体形状の出願に際して留意する事項は何か、と訊かれたときに何を答えるか。これをテンプレート的に(3条1項3号、4条1項18号・・・)と「暗記」していたのでは正解する可能性もありますが、正解しない場合も考えられる、と思います。大事なのは問われたことの理解と、原則に従った(3条1項1号、2号・・・、4条1項1号・・・)という条文の導出です。一見回り道のようですが、これが基本であり、最も確実な方法です。
  商標権を移転する、という事例の場合には、なぜ移転するのか?ということから、その弊害及びそれを防止する措置等、移転の際に想定される問題点が挙がってくるわけです。それが本質の理解につながるのだと思います。
  また、問題文の読み飛ばしなどについても、なぜそうしてしまったのか、読み飛ばさないためにはどうすれば良いのか、そこには単なるミスでは済まない自分の意識の問題があるかもしれません。
  ある程度の知識が充足されていることが前提ではありますが、当たり前のことを当たり前にこなす。これができれば合格なのだと思います。答練や模試はそれを訓練する場なのだと思います。だから、新たな失敗は大歓迎。ただし同じ失敗を繰り返さないことが大事です。試験においては法律の知識以外に、そういった処理能力の部分も試されているのでしょうね。
  これから本試験まで時間が限られますので、全ての手当てができるわけではなく、試験に合格できるレベルに達することができるか否かわかりません。ですが上述したような事項を忘れないように試験勉強に取り組んでいきたいと思います。
  僕はまだ未完成人=みかん星人・・・




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均等論について [論文]

  弁理士試験受験生なら、誰もが知っている均等論について疑問があります。
(1)考え方について
 侵害訴訟において、請求項に記載の技術的範囲(70条)と相違する部分があっても、均等であるときは権利侵害を構成する(68条)というのが均等論の概要です。
このとき、技術的範囲には属さないけれども均等だから侵害になる、ということなのでしょうか。それとも、文言上技術的範囲に属さないけれども均等だからやはり技術的範囲には属するので侵害になる、ということなのでしょうか。
 正解があるのか否か知らないのですが、論述する上では後者の方が流れがよい気がしています。ただ、そのように記載すると間違いなのでしょうか。よく分かりません。
(2)書き方について
  青本にも均等5要件が記載されているように、均等論は条文と殆ど同じ扱いを受けています。とはいえ、条文事項ではありませんから、論文試験の際に貸与される条文集には勿論記載されていません。
  答案において均等論を展開するというのは、法の解釈論を述べているのだと思います。そうすると、論述するには「規範定立」、「あてはめ」、「結論」という流れで記載すべきところだと思います。条文事項ではないことについていきなり「あてはめ」をするのは乱暴ではないかと思うのです。さらにいうと、最初に「趣旨」を述べるべきです。
  しかし実際の答案できちんと「趣旨」「規範定立」を書き、題意に沿って「あてはめ」をして「結論」を導くと、かなりの記載量になってしまいます。
  予備校の答練で均等論について問われたことがあります。このときの優秀答案を拝読すると、「趣旨」「あてはめ」「結論」という流れで記載されていました。これで良いのでしょうか。というよりも、全体のバランスを考えるとこう書かざるを得ないというところでしょうか。




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論文の勉強方法が分かりません [論文]

  この時期に、こんなこと言っていて非常にまずいと思います。しかしながら毎日をいかに過ごすべきか未だにぼんやりとしています。現在確実に実行していることは、以下の二つです。

(1)秋ゼミに通い復習
(2)青本の通読

ゼミについては、復習をする際に自分なりの答案を再構築することにしています。その際にルールとして決めたのが、特実の場合は1300文字以内にまとめることです。なぜなら、ゼミのレジュメの分量は絶対に書けないからです。コンパクトに必要最小限の記載量で合格点を取る、という戦略を身に付けるためには必要なことだと思います。青本については、未だに特許法です。もっと早く読み進めたいのですが思うように捗りません。今年中に一読が目標なのですが、非常に厳しいです。
  今年中にしておきたいこととして、過去問を自分なりに再構築することを考えています。こちらもWセミナーの冗長な解答などからコンパクトに論点を抽出して文字数限定で答案作成するつもりです。できればこの答案を友人などの共有して可否を話し合いたいと思っています。
  ところでゼミを受けていて感じますが、ゼミの問題と本試験の傾向はかなり異なるのではないでしょうか。そのあたりも踏まえつつ今後の勉強方法をもっと試行錯誤する必要がありそうです。




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いまさらですが・・・今年の論文について考える(商標法) [論文]

  商標法は最も自身がありません。自己評価と実際の評価(D評価)のギャップが大きかったからです。特に、あのサツマイモのイラストはどうしてわざわざ存在するのか理解不能でした。けれども、なぜD評価なのかは時間を掛けて徐々に納得してきました。
・「商標」と「指定商品/指定役務」の組み合わせについて整理できていなかった。
・各審判についての要件をきちんと挙げられなかった。
・「侵害訴訟に関し」という問題に対して全く対応できなかった。
・審判における指定商品役務ごとの取下げについて根拠が挙げられなかった。
こんなところでしょうか。まずは基本的な部分でもっと型に嵌った答案を書けるように努力が必要だと思っています。

設問(1)
1.①について
(1)4条1項10号の要件あてはめをするわけです。
  甲の出願に係る「ロ商標」を商品「焼酎」について使用する行為に対して、乙が「清酒」について使用する「イ商標」が、「ロ商標」の出願時及び査定時に「周知商標」であること。さらに除斥期間の適用はないこと。
(2)4条1項15号についてはどうでしょうか。
  ここでの周知性の判断が「四国地方」で足りるのか否かは分かれるようです。それが合否の分かれ目にはならないのでしょう。実際、N先生は適用可能と解釈し、S先生は周知性の要件を満たさないと解釈して論述されました。
  適用可の場合は、甲の出願に係る「ロ商標」を「梅酒、果実酒」に使用する行為は、乙が「四国地方」で使用する「清酒」に使用している「イ商標」との間で出願時及び査定時に出所混同の虞があること。また、除斥期間の適用はないこと。
(3)4条1項19号について
  不正競争の目的は不正の目的の下位概念なので「不正の目的」。あとはあてはめをして、甲の「梅酒、果実酒」の商標登録には4条1項19号の無効理由が存在。除斥期間適用なし。ここでも周知性の解釈が分かれそうな気がします。Lでは「著名」と習ったような気がします。
  ところで上記各理由に係る無効審判は主体的要件として利害関係のあることと解されていると思いますが、丙はそのような関係があるでしょうか。N先生もS先生もそこに関して記載、コメントがありません。。。「梅酒」「りんご酒」について使用する丙が、甲の「焼酎」について訴えること出来るのでしょうか。

2.②について
  ここは不正使用による取消審判(51条)であるだろうことは皆さん気づかれたことでしょう。この場面で「焼酎」についての登録商標を有する甲が「薩」の文字を付加して、さつまいもの図形を背景にしたことにより、「品質の誤認」を故意に行ったということです。
  ここで、わざわざイラストまで描いているわけですからそれについてちゃんと記載すべきなんでしょう。僕は残念ながらそこに考えが及びませんでした。

3.③について
  不使用取消審判(50条)についても強い誘導がありましたので皆さん間違わなかったことでしょう。易しい問題だと思います。しかし僕の場合は指定商品の部分で積極ミスをしてしまいました。基本的な力不足を痛感します。

設問(2)
  効果だけであれば条文レベルで2,3行で終わる話になってしまいます。侵害訴訟と絡めるところで色々な結論がでるようです。このような問題については答えが合っているかではなく、結論を導出する過程において理解度を評価されるのでしょう。
1.各審判確定審決の効果について
2.差止請求訴訟について
  口頭弁論終結時において権利が消滅しているか否かが問題となる。以下論理展開&結論
3.損害賠償請求訴訟について
  侵害時に権利が消滅しているか否かが問題。以下論理展開&結論
4.結論
  検討する過程において、時期的要件及び各審判では指定商品ごとの消滅となるのか、商標権の消滅となるのかについて記載し、総合的にいずれが有利かを述べる。

設問(3)
  ここでは短答的な問いでしたが、「理由とともに説明」できたか否かが合否の分かれ目だったかもしれません。僕は理由が挙げられませんでした。特許法155条3項を準用するか否かが最低書けていなければならなかったのでしょう。さらなる理由付けについては①無効審判は指定商品・指定役務ごとに消滅するから(46条の②、69条)②不正使用取消審判は対世的効力により商標権を消滅させるから③不使用取消審判については立証責任を被請求人に転換し、一の指定商品等についての使用を証明すれば足りるところ、請求人が指定商品等を減縮補正することは請求の要旨変更となる。

以上

やはり商標法が最も基礎力不足です。頑張らなければ・・・。




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いまさらですが・・・今年の論文について考える(意匠法、問題Ⅱ) [論文]

意匠法【問題Ⅱ】

  なんとなく特実Ⅰと似たような出題の仕方です。そして設問により少しずつ条件を変化させ、適宜答えを構成することが出来るか否か。「どれも同じような答えになってしまう」と思ってしまうのは誤りなのでしょう。この問題については僕は残念ながら非常に浅い理解しか出来ませんでした。
  今思えば、各措置を理由付けして書くことが出来れば基本的には良いのでしょう。その際の理由付けや検討の仕方で評価が分かれるのだと思います。①題意把握→②基本的な流れ構成→③枝葉の検討、という構成がちきんとできれば良いのでしょう。②と③がゴチャゴチャになると失敗しそうです。僕は①が出来ていませんでした。
  秘密意匠についての記載がN先生とS先生でかなり異なります。各先生の個性が際立ちます。N先生は条文に沿った要件の記載に徹しておられます。S先生は実質的な検討をしながらメリット、デメリットについて記載して加点を狙っていらっしゃるようです。

設問(1)について
(1)目的達成するためにはイハについて権利取得、イロハは類似のため関連意匠制度の利用
(2)受ける権利の承継(準特33条1項)をし、共同出願(準特38条)を行う。
(3)関連意匠制度(10条)の利用。この場合本意匠はどれでも良い。その他あてはめ。
(4)ロについて秘密意匠(14条)で出願。秘密請求は共同で行う。秘密期間の延長あるいは短縮は単独で可。イハはロに類似しているため秘密にした方が良いのか、権利化後のデメリットを考慮すべきか。

設問(2)について
(1)イの出願の名義変更及び届出(準特34条4項)をし、共同出願(準特38条)。
(2)イを本意匠とした関連意匠制度(10条)の利用。時期的要件に注意。

設問(3)について
(1)意匠権の移転(準特98条1項1号)によりイロハを共同で譲受け。このとき分離移転は不可(22条1項)。
(2)専用実施権の設定(準特98条1項2号)により共同で設定登録。このとき意匠権について全部を同一の者に同時に設定する(27条1項)。

実に良い問題だと思います。この類の問題がちゃんと解答できるように頑張ります。




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いまさらですが・・・今年の論文について考える(意匠法、問題Ⅰ) [論文]

【問題Ⅰ】

設問(1)について
  3条の2の趣旨であり、それ以上でも以下でもありません。青本の内容が把握できていれば大丈夫だったのでしょう。頭に入っていた人にとってはラッキー問題でした。
  自分の事について言えば、こういう問題をきちんと答えられなかったのは実力不足と言わざるを得ません。主要な条文については完璧でなくとも最低限のレベルで書ける様にしておかなければならないことを思い知らされました。また近年法改正があった条文に関連する事項は特に要注意かもしれません。
(1)3条の2の趣旨
  意匠法3条の2は、出願に係る意匠が、当該出願後に意匠公報に掲載された先願の願書及び願書に添付された図面に表された意匠の一部と同一又は類似の場合は登録を受けることができない旨を規定する。
  ①先願の意匠の一部と同一類似の後願の意匠を保護するのは妥当ではないこと。②先願の意匠が公報掲載する前に当該意匠を構成する部分が出願された場合には登録され得るため権利関係の錯綜を招来していたこと。③部分意匠制度の導入及び組物の意匠の要件が緩和されたことで先願の意匠の一部と同一類似の意匠が後願として出願されるケースが増大するだろうこと。
  尚、平成18年改正において先願意匠の一部と同一類似の後願意匠であっても、先願意匠の出願日の翌日からその公報発行の日前までに同一出願人が出願した場合は拒絶されない。

設問(2)について
  この問題は落ち着いて条文を順に目を通していけばそれなりに書けたことでしょう。僕は落ち着きが足りませんでした。どうしてでしょうか。それまでにこのような類の問題を解いたことがなかったからかも知れません。経験値不足ということに。。。
(1)「先の意匠登録出願」とは当該出願よりも日前に先願の地位を有する出願のことであり、原則として現実の出願日により認定する。
(2)しかし、①分割に係る出願(10条の2)及び変更出願(13条)については元の出願の時をもって、②補正後の新出願(17条の3)については手続き補正書の提出時をもって出願日を認定する。
(3)また、パリ条約の優先権の主張を伴う出願(パリ4条)は、優先期間において不利な扱いを受けない(パリ4条B)ことから第一国出願の日をもって出願日を認定する。
(4)意匠権の設定登録後に補正が要旨変更と認められたときは、手続補正書を提出したときを持って出願日を認定する。





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いまさらですが・・・今年の論文について考える(特実Ⅱ) [論文]

 先日に続き、特実Ⅱについての考察です。
 本試験において問題Ⅰは作成に手間取り70分掛かってしまいました。その時点で「もう駄目かぁ~」と、諦めかけたところで問題Ⅱを読みました。読んだ瞬間判例と分かる内容でしたので「まだいけるかも知れない」と希望の光が見えるものでした。。
1.設問(1)について
 国内消尽について問う問題でした。一目でそれと分かる問題であり、非常に素直な問いだったので、素直に答えました。とはいえ、ただ記憶している判例を書くだけでは論文とは言えません。「特許権を行使することができるか。」について「理由とともに」説明する訳で、理由は判例にあたる部分ですが、全体の流れは「特許権侵害とは・・・」「当該行為は形式的には特許権侵害を・・・」「しかし・・・(消尽の理由)」「結論・・・」という流れで進めました。
2.設問(2)について
 インクタンク事件で話題となった、特許製品を加工した場合の消尽に関する問題でした。これも基本的には素直に判例を知っているか問うているものでした。「必要があれば場合分けをして」ということでしたので、ここでは新たな特許製品と認められるか否か、すなわち特許製品の属性、発明の内容、加工及び交換部材の態様の他、取引の実情等を総合考慮した結果、権利行使可能か否かを結論付けるものでした。 全体の流れとしては、形式論、実質論(判例を引用した理由付け)、結論、というものです。
 ここで興味深いのが、N先生とS先生とでその先の踏み込み方が異なることです。N先生は、判例の知識に基づいて、「特許製品の属性」及び「加工及び部材の交換の態様」について具体的に論述することに重点を置いたようです。一方S先生は当該特許製品に係る部品aの属性について、及び加工の態様についてのあてはめを試みられました。これらはいずれも基本を押さえた上での論述なのですが、論文の正解は一つではないことを学ぶうえで非常に有り難い内容となりました。
3.設問(3)について
 この問題も素直な問いかけで殆どの受験生がBBS事件を想起したのは間違いないでしょう。しかしBBS判例の論述はほんの一部であり、全体の流れとしては、形式論、実質論(BBS判例を引用した理由付け)、結論になると思います。結論においては我が国の特許権者と同盟国の法人とが同一人と同視し得るか否かを、問題文の誘導に従い「場合分け」することを要します。
 N先生はここで判例の論述をしっかり書き込まれました。一方S先生はここでもあてはめを試み、その上で同視できる場合について記載されました。
 僕はここで大きなミスを犯しました。第三者と転得者との取引について「製品の上に明確に表示」する旨を記載しませんでした。ミスの原因は単純に問題文の読み飛ばしでした。
4.全体を通して
 N先生とS先生とでは論文の記載内容は似ているのですが、その構成や記載の異なる部分にアプローチの違いが現れているため、比較することでとても参考になります。合格論文をいくつか読み比べることで、深い勉強が可能になる気がしました。
 尚、僕は設問(3)で大きなミスを犯してしまいましたが、特実についてはA評価でした。




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